[コラム]生物と元素
- 2015/12/16
- 08:01
あらゆる物質は元素で出来ており、生物も例外ではない。では、私たち人間はどのような元素で作られているのか。私たち(成人)の体重の50~65%は水分であり、これに次いで多いのは、タンパク質(15~20%)、脂質(15~25%)である。従ってこれらを構成する元素、すなわち、酸素(65%)、炭素(18%)、水素(10%)、窒素(3%)が最も多く、この4元素で体重の96%を占めるという。それでは残りの4%は何かといえば、これが「ミネラル」と呼ばれるものであり、少量でもこれがなくては生物は生命を維持することはできない。
ミネラルは60種類以上あるといわれるが、主なものは次のとおりである。
①カルシウムCa、カリウムK、ナトリウムNa、マグネシウムMg、鉄Fe亜鉛Zn、マンガンMn、銅Cu、モリブデンMo、クロムCrなど。
②リンP、硫黄S、塩素Cl、ヨウ素Iなど。
このうち、①が金属、②は非金属である。ミネラルの多くは金属なのである。
金属の化学的特徴は、電子を放出しやすい性質を持ち、配位結合による柔軟な化学結合を行うことである。これにより生体内でさまざまな化学反応に関係し、ミネラルとしての役割を果たしている、たとえばカルシウム、マグネシウムは骨や歯を構成する主成分である。また、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムは神経や筋肉で刺激を伝達するのに欠かせない。そして、鉄は血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの構成要素である。さらに、さまざまなミネラルが酵素の構成要素となり体内の化学反応を促進する触媒として働いている。
最新の研究によれば、生体内でのタンパク質と金属の関係を具体的に把握できるようになってきたという。たとえば、フェリチンというタンパク質がその内に鉄の分子を溜め込んでいる様子を捉えることができるようになってきている。我が体内で、タンパク質が柔らかいその腕で、鉄の一粒ずつをやさしく抱いている様子を想像すると微笑ましく思う。
さて、生物は、酸素、炭素、水素、窒素の4元素と60種類以上のミネラルで出来ている。あらためて元素の周期表を眺めてみると、自然に存在する水素からウランまでの元素が92種類、そのうち、周期表上で鉛(原子番号82)より下方の放射性元素と右端18族の希ガス(ヘリウム、ネオンなど)を除くほとんどの元素が生物の身体をつくり、生命の維持に関与していることに驚かされる。
生物は、単細胞生物から多細胞生物へ、さらに無脊椎動物から脊椎動物へと進化する過程で、海中であろうが地上であろうが空中であろうが 地球上に存在するほとんどの元素を取り込んで、生命活動を行うようになったのであろう。地球環境と生命は一体であることをあらためて思わずにはいられない。「ミネラル」の語源が「鉱物」であることもうなづけるのである。 (記:五等星)
ミネラルは60種類以上あるといわれるが、主なものは次のとおりである。
①カルシウムCa、カリウムK、ナトリウムNa、マグネシウムMg、鉄Fe亜鉛Zn、マンガンMn、銅Cu、モリブデンMo、クロムCrなど。
②リンP、硫黄S、塩素Cl、ヨウ素Iなど。
このうち、①が金属、②は非金属である。ミネラルの多くは金属なのである。
金属の化学的特徴は、電子を放出しやすい性質を持ち、配位結合による柔軟な化学結合を行うことである。これにより生体内でさまざまな化学反応に関係し、ミネラルとしての役割を果たしている、たとえばカルシウム、マグネシウムは骨や歯を構成する主成分である。また、カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムは神経や筋肉で刺激を伝達するのに欠かせない。そして、鉄は血液中で酸素を運ぶヘモグロビンの構成要素である。さらに、さまざまなミネラルが酵素の構成要素となり体内の化学反応を促進する触媒として働いている。
最新の研究によれば、生体内でのタンパク質と金属の関係を具体的に把握できるようになってきたという。たとえば、フェリチンというタンパク質がその内に鉄の分子を溜め込んでいる様子を捉えることができるようになってきている。我が体内で、タンパク質が柔らかいその腕で、鉄の一粒ずつをやさしく抱いている様子を想像すると微笑ましく思う。
さて、生物は、酸素、炭素、水素、窒素の4元素と60種類以上のミネラルで出来ている。あらためて元素の周期表を眺めてみると、自然に存在する水素からウランまでの元素が92種類、そのうち、周期表上で鉛(原子番号82)より下方の放射性元素と右端18族の希ガス(ヘリウム、ネオンなど)を除くほとんどの元素が生物の身体をつくり、生命の維持に関与していることに驚かされる。
生物は、単細胞生物から多細胞生物へ、さらに無脊椎動物から脊椎動物へと進化する過程で、海中であろうが地上であろうが空中であろうが 地球上に存在するほとんどの元素を取り込んで、生命活動を行うようになったのであろう。地球環境と生命は一体であることをあらためて思わずにはいられない。「ミネラル」の語源が「鉱物」であることもうなづけるのである。 (記:五等星)
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