[コラム]科学コミュニケーションの現在
- 2017/01/11
- 08:33
現代科学が市民生活に大きい影響を持つようになった現在、科学コミュニケーションの役割はますます大きくなっている。科学コミュニケーションは、専門家と一般市民をむすび、科学の面白さや素晴らしい成果を伝えてくれる。しかし、それだけではなく、現代社会に生きる我々が直面するさまざまなリスクについて判断材料となる情報を知らせてくれる。大規模地震や津波のリスク、原子力発電所の事故のリスク、地球温暖化のリスク、鳥インフルエンザに代表される病原体のリスク、AI(人工知能)が社会に及ぼすリスクなど、科学的知識なしには判断できないものばかりである。そのための科学コミュニケーションの役割は大きい。つまり専門家の持つ科学的知識を一般市民が理解できるように伝えるのである。この手段としては、Webの記事や動画、新聞や雑誌の記事、テレビやラジオ放送、市民講座、説明会、サイエンスカフェなどが活用されている。
たとえば原子力発電所の再稼働に関して専門家がその安全性について一般市民に説明しようとするが、なかなか納得してもらえないことが多い。これは、専門家が一方的に一般市民に知識や考えを押し付けようとすることが一因である。これに対して最近では、一般市民と専門家の間の双方向のコミュニケーションの重要性が認識されてきているという。さらに、結果の説明ではなく、初期段階から一般市民が参加して合意形成を図ることが効果的だと考えられるようになってきたとのことである。ただし、放射性元素の半減期の長さを知り、原発事故が発生した場合の影響の甚大さを許容できないと考える人々がいても不思議ではない。これも科学コミュニケーションの結果の判断だといえる。
このような科学コミュニケーションを通じて、一般市民が参加できるようになるとともに、専門家の信頼を向上させることもできる。これは、科学コミュニケーションが専門家の情報発信をチェックし誤りがあれば指摘する、という役割も持つためである。これにより、専門家の信頼性が担保されるのである。さらに、6年前の東日本大震災において、放射性物質の予想拡散方向の情報発信のタイミングや方法などについて、その後真摯な評価がなされてきたとのことである。緊急時の科学コミュニケーションのあり方が研究されているのである。
さて、当自然科学カフェも微力ながら科学コミュニケーションの一翼を担っている。当カフェはブログのプロフィールにも示すように「我々はどこから来て、どこへ行くのか」ということを、ときには考えてみたい人々のための場である。
このために、宇宙科学や生命科学など自然科学の専門家の方々をお招きして、話しを聴き、ざっくばらんな質疑応答や意見交換を行う機会を持っている。この場では、お招きする専門家の方と参加者の方々との距離をできるだけ近くして、双方向の科学コミュニケーションが活発に行われるように工夫を重ねているつもりである。二次会も準備しているのは、ただお酒が好きなだけではないことをご理解願いたい。(笑) (記:五等星)
たとえば原子力発電所の再稼働に関して専門家がその安全性について一般市民に説明しようとするが、なかなか納得してもらえないことが多い。これは、専門家が一方的に一般市民に知識や考えを押し付けようとすることが一因である。これに対して最近では、一般市民と専門家の間の双方向のコミュニケーションの重要性が認識されてきているという。さらに、結果の説明ではなく、初期段階から一般市民が参加して合意形成を図ることが効果的だと考えられるようになってきたとのことである。ただし、放射性元素の半減期の長さを知り、原発事故が発生した場合の影響の甚大さを許容できないと考える人々がいても不思議ではない。これも科学コミュニケーションの結果の判断だといえる。
このような科学コミュニケーションを通じて、一般市民が参加できるようになるとともに、専門家の信頼を向上させることもできる。これは、科学コミュニケーションが専門家の情報発信をチェックし誤りがあれば指摘する、という役割も持つためである。これにより、専門家の信頼性が担保されるのである。さらに、6年前の東日本大震災において、放射性物質の予想拡散方向の情報発信のタイミングや方法などについて、その後真摯な評価がなされてきたとのことである。緊急時の科学コミュニケーションのあり方が研究されているのである。
さて、当自然科学カフェも微力ながら科学コミュニケーションの一翼を担っている。当カフェはブログのプロフィールにも示すように「我々はどこから来て、どこへ行くのか」ということを、ときには考えてみたい人々のための場である。
このために、宇宙科学や生命科学など自然科学の専門家の方々をお招きして、話しを聴き、ざっくばらんな質疑応答や意見交換を行う機会を持っている。この場では、お招きする専門家の方と参加者の方々との距離をできるだけ近くして、双方向の科学コミュニケーションが活発に行われるように工夫を重ねているつもりである。二次会も準備しているのは、ただお酒が好きなだけではないことをご理解願いたい。(笑) (記:五等星)
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